月の上の観覧車

ふわりと当たる風や草花の匂い、
向こうに見える2人連れと誰かを呼ぶ声、
ちょっと濃いめの野菜炒め。
五感を通して蘇る記憶。

未来に思いを馳せるより、
過去に思いを寄せることのほうが多くなった気がする。
50歳近くなって、
いわゆる『人生の折り返し点』を超えたからかもしれないし、
ここ10年で、祖父母も両親も亡くしたからかもしれない。


過日、本屋の陳列棚を眺めていた時、
タイトルに惹かれて手に取った本は、今の私の心にぴたりとはまった。

萩原浩 著、『月の上の観覧車』。

f17may2018.jpg

8つの短編からなるこの本は、
8人の半生または人生を淡々と掘り起こしていく。
ごく普通の人たちのよくある話だけど、
だからこそ、歳を重ねた者の琴線に触れる。
ふと涙がこぼれたりもする。
とても静かに。


喪失。
でも、その先には希望のかけら。
10年後にもう一度読みたい。
いい本に出会ったと思う。


私の観覧車は、今どのあたりだろう。


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ヒデキが天に召されてしまったなんて(´^`)
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2018-05-17 : 小説 : コメント : 4 : トラックバック : 0
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綺譚集

この前 初めて読んだ津原泰水氏の本、2冊目。
15の短編から成る『綺譚集』。

f19apr2018.jpg

のっけからエログロでドン引きするも、
今回もストライクな作品にぶち当たるからたまらない。

『玄い森の底から』『脛骨』、特に『ドービニィの庭で』が良かった。
実在するゴッホの絵画『ドービニーの庭』をモチーフにして書かれたこの作品は、
細部に至るまでこの絵と同じ庭を作ろうとした男たちが、
庭づくりと色彩の狂気に囚われ、破滅していく物語。


読後、ゴッホの『ドービニーの庭』の絵を検索したのは言うまでもなく・・・


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壊れていくのを描くのがうまいなーと思う
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2018-04-19 : 小説 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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11 eleven

去年読んでた漫画『クダンノゴトシ』に出てくるのは、
『件』と書いて『クダン』と読む妖怪なんだけど、
その流れで辿り着いたのがこの小説。

f27mar2018.jpg

津原泰水著『11』、2014年発行。

11の短編から成る本で、
いちばん最初の『五色の舟』にクダンが出てくるんだけど、
これがもう、ものすごく良かった!!
私的大当たりヽ(・∀・)ノ

戦時中の日本、異形の者たちが織りなす景色は、
怪しく、哀しく、儚く、そして美しく・・・。
幻想小説の醍醐味を堪能できる作品だと思う。

他の10編には、
ちょっと苦手な描写や、なんだかよくわからないものもあるんだけど、
好みの作品の吸引力が上を行く感じ。
これまで知らなかった作家だし、他の著作もチェックしておこう〜(o´ω`o)♪


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乱歩、特に『パノラマ島奇譚』が好きな人向きじゃなかいかと♡
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2018-03-27 : 小説 : コメント : 4 : トラックバック : 0
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ヘブンメイカー

大好きな作家の一人、恒川光太郎氏。
『スタープレイヤー』の続編、『ヘブンメイカー』を読了。

前作と世界観は共通、世代はひとつ前といったところか。

f24feb2018.jpg

望みが叶う力を得て、
自由に世界を作ることができる人間と、
わけのわからない世界に放り込まれ、
試行錯誤しながら社会を作り出していく人間。
その2つの物語が交互に描かれている。
バラバラに動いていたそれらがひとつに収束し、
伏線が回収され、前作にさらりと繋がる過程はさすが。

前作より、本の厚みも物語の深みも増し増しだし、
インチキ聖人のインチキ大旅行は楽しかったし、
ダークな恒川ワールドもちょいちょい出てきたし、
前作の「ちょっとガッカリ感」が帳消しになった感じw

恒川氏の魅力である
ノスタルジックな趣がないのはやっぱり残念なんだけど、
でも、もしこの続編が出たら・・・

間違いなく読むだろうなあ(*´ェ`*)


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エピローグの前の章『帰還』の最後の一文がとても好き
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2018-02-24 : 小説 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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スタープレイヤー

年が明けて最初に読む本は、
絶対これにしようと決めていた。

恒川光太郎、『スタープレイヤー』。
2014年の作品で、文庫化されるのを待ってたやつーヽ(・∀・)ノ

f18jan2018.jpg

約400ページの長編。

路上で唐突にくじ引きに当たった主人公は、
異世界に飛ばされ、スタープレイヤーと呼ばれる者になった。
それは、自分の好きな願いを10個叶えることができる選ばれし者。
願う内容は自由。
倫理を考慮するもしないも自由、自分の思うように願えば良い。

というわけで、ここから私的感想。

数年前に著者のデビュー作『夜市』に出会い、
和テイストの妖しい世界と、
練り上げられているのに平易な文章に大いに感動。
その後は『秋の牢獄』『雷の季節の終わりに』『草祭』
『南の子供が夜いくところ』『月夜の島渡り』
『竜が最後に帰る場所』『金色の獣、彼方に向かう』
と、作品を発表順に読み続けてきたんだけど、
いつも期待を裏切らない恒川ワールドが堪能できた。
でも、今回の前作『金色機械』で「あれ?」な感じになって、
今回ではさらに「どうした?!」な感じに。
『妖』が抜けて、『洋』とか『陽』になったような、
ダークファンタジーがライトファンタジーになったような。
まあ、装丁からして今までとは雰囲気違うもんねぇ(^_^;)
悪くなったとは思わないけど、ちょっと方向性を変えたのかな。
少し残念。


この続編も出てるから、とりあえずそれに期待。


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読んでる間に頭に浮かんだのは、浦島太郎とドラゴンボール。
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2018-01-18 : 小説 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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プロフィール

miyuki

Author:miyuki
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飾った雑貨を眺めてニヤつき、
何度失敗しても懲りずに植物を育て、
へたの横好きで編み物をし、
合間に何かを読み散らかした挙句、
結局全部放り投げてわんにゃんと遊ぶ。

自己流と自己満足と適当万歳な暮らし。

今も昔も愛知県在住、
40代・♀・O型・ふたご座・左利き。
好きな言葉は『なんとかなる』

あんは2009年4月3日生まれ

のんは2017年5月5日生まれ

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