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薬指の標本

本屋でこのタイトルを目にした時、
その恍惚的な響きに惹かれ、思わず手に取ったのを覚えている。

小川洋子著『薬指の標本』。

f13oct2018.jpg

思いのこもったものなら、
毛糸玉でも音楽でも、何でも標本にしてくれる技師。
彼は、それを試験管に封じ込め、持ち主から分離し、完結させる。
大切なのは、『慈しむこと』。

私的大当たりだった。
艶っぽいのに生々しさがなく、
むしろ、底にひんやりした空気が沈殿しているような。

他にもうひとつ、短編『六角形の小部屋』が収録されていて、
趣の違うこちらも大当たり。
タイミングと、暖かな存在がもたらす安心感が、
自己の深淵に下りる勇気になるのかな・・・


小川洋子氏といえば、
何年か前に映画化された『博士の愛した数式』が有名だと思うんだけど、
私的ナンバー1は、今もやっぱりこれ(*´ェ`*)


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全著作読んだわけじゃないから偉そうなこと言えないけどw
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2018-10-13 : 小説 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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あのころ まる子だった ももこの話

あれは高校生の頃。
授業中に回ってきた漫画があまりにもおもしろくて、
笑いをこらえるのに必死だった。

それは、さくらももこ著『ちびまる子ちゃん』第1巻。
その後、2巻3巻も回ってきて、
腹筋崩壊しつつ読んだ記憶があるんだけど、
いったい誰の持ち物だったのかは全然覚えていない(。-_-。)

以降は漫画から遠ざかり、
直後にアニメ化されたものを見る機会も少なかったけど、
西城秀樹が歌ったエンディングテーマ『走れ正直者』に当時の彼氏がどハマりしてw、
車の中でエンドレス再生しながら、
ふたりで延々と歌っていたという変な思い出があるwww


私にとって、さくら氏の作品と言えばもっぱらエッセイだった。
初期三部作はもちろん、その後の作品も、
通勤電車の中で、こみあげる笑いを必死にこらえながら読んだ。

f28aug2018_1.jpg

その さくら氏の、突然の逝去の報。
作品にまつわる思い出の数々と、
私とさして変わらないさくら氏の年齢が、より一層切なくさせる。

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今日はエッセイを読み返そう。
しみじみするのではなく、笑いながら。


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2018-08-28 : 小説 : コメント : 4 : トラックバック : 0
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赤江瀑、2冊

ちょっと前に読んだアンソロジー小説、『リテラリーゴシック・イン・ジャパン』
この本に掲載されたたくさんの作家陣のうち、
『これまで知らなかった+もっと読んで見たい』と思った作家が数人。

そのうちのひとりが、赤江瀑。
前出アンソロジー内の『花曝れ首(はなされこうべ)』がすごく良くて。

というわけで、一気に2冊。

f28jul2018.jpg

1973年に直木賞候補になった『罪喰い』を表題にしたものと、
赤江瀑短編傑作選・幻想編と銘打った『花夜叉殺し』。

耽美っぷりは、谷崎潤一郎のようなイケイケのゴリゴリではなくw、
赤江氏のそれは秘め事であり、背徳。
幻想的な情景に溶け込む色気。

10を超す短編の中には、イイ(・∀・)もイマイチ(-_-)もあったけど、
私的ヒットは『花夜叉殺し』。
狂った庭の匂いが立ち上ってくるような。


でもやっぱり、今のところはまだ『花曝れ首』がトップかなー(o´ω`o)


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『花夜叉殺し』で『ドービニィの庭で』を連想する
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2018-07-28 : 小説 : コメント : 8 : トラックバック : 0
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櫛引道守

時は幕末。
くし職人の父に憧れ、その後を継ぎたいと願う娘、登瀬(=とせ)。
寡黙な父の手を見つめ、その技術を身に付けようと切磋する日々。
しかし、当時の女は『嫁して子をなし家を守る』のが当たり前。
周りからは白い目で見られ、
世間体を気にする母には嘆かれ、
妹からは自分勝手だと罵られ、
それでもなお、意思を捨てられない登瀬。
貧しい暮らしの中で、ひたむきに修練に励む。

木内昇 著、『櫛引道守(くしひきちもり)』

f03jul2018.jpg

主人公・登瀬の心情がとても丁寧に描かれていて、
まるでドラマを見ているように読んだんだけど、
実際、NHKの朝ドラになってもおかしくない内容だと思う。

朝ドラ見たことないけどw


骨格のしっかりした小説は、
生活の描写の中にスッと入っていけるのがいいね。


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著者は女性だと知ってちょっとびっくり
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2018-07-03 : 小説 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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月の上の観覧車

ふわりと当たる風や草花の匂い、
向こうに見える2人連れと誰かを呼ぶ声、
ちょっと濃いめの野菜炒め。
五感を通して蘇る記憶。

未来に思いを馳せるより、
過去に思いを寄せることのほうが多くなった気がする。
50歳近くなって、
いわゆる『人生の折り返し点』を超えたからかもしれないし、
ここ10年で、祖父母も両親も亡くしたからかもしれない。


過日、本屋の陳列棚を眺めていた時、
タイトルに惹かれて手に取った本は、今の私の心にぴたりとはまった。

萩原浩 著、『月の上の観覧車』。

f17may2018.jpg

8つの短編からなるこの本は、
8人の半生または人生を淡々と掘り起こしていく。
ごく普通の人たちのよくある話だけど、
だからこそ、歳を重ねた者の琴線に触れる。
ふと涙がこぼれたりもする。
とても静かに。


喪失。
でも、その先には希望のかけら。
10年後にもう一度読みたい。
いい本に出会ったと思う。


私の観覧車は、今どのあたりだろう。


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2018-05-17 : 小説 : コメント : 4 : トラックバック : 0
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プロフィール

miyuki

Author:miyuki
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飾った雑貨を眺めてニヤつき、
何度失敗しても懲りずに植物を育て、
へたの横好きで編み物をし、
合間に何かを読み散らかした挙句、
結局全部放り投げてわんにゃんと遊ぶ。

自己流と自己満足と適当万歳な暮らし。

今も昔も愛知県在住、
40代・♀・O型・ふたご座・左利き。
好きな言葉は『なんとかなる』

あんは2009年4月3日生まれ

のんは2017年5月5日生まれ

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